祈祷院建築

 当時通っていた教会の牧師先生が様々な問題に対して断食して祈っておられました。毎日教会と信徒たちのために祈っておられる姿を見て、牧師先生が集中して祈る場所が必要だと思い、大宜味村に所有していた別荘を祈祷院として開放し、先生に使って頂きました。
 先生は、時折り大宜味に通われ、祈りを捧げておられました。この出来事から、「多くの牧師先生方が祈れる場所を作りたい」と強く思うようになりました。

 長男が国家試験に合格した2001年、当時貯めていた預金を全て使い、名護市真喜屋に新しく祈祷院を建設しました。教団、教派を超えた牧師先生方の祈りの場になってほしいと始めた祈祷院ですが、今ではたくさんのクリスチャンの方に利用して頂いています。

新都心で2店舗オープン

 2002年9月20日、ヴァインドラッグ銘苅店を、翌月10月1日に県内大手ショッピングセンター店を続けてオープンしました。この2店舗を開店した時も、不思議な事が起こりました。
 当初、南風原町に土地を見つけ、そこで新店舗を建設する予定でした。地主さんから「火曜日に来て下さい」と言われましたが、毎週火曜日は妻と祈祷院に祈りに行く日でした。神さまを最優先に考えていた私は、水曜日に変更して頂きました。
 約束の日に会いに行くと「あの土地は昨日売れた」と言われたのです。約束を破られ、怒りを覚えました。しかし、「神さまを優先したのだから、なにか計画があるのかも知れない」と思うようにしました。その後すぐ、開発中だった那覇市の新都心にある銘苅の土地が与えられたのです。
 それと同時期に、新都心に建設中であった大手ショッピングセンターから出店の誘いを受けました。銘苅に土地建物を所有しているということが会社の信用になり、出店の誘いをして下さったようです。前の年に貯金をはたいて祈祷院を建築したばかりでリスクはありましたが、店舗拡大には良い機会だと思い承諾しました。
 しかし、銀行から融資を受ける事はできたものの、毎月の借金返済と店舗の運営資金不足に押し潰されそうになり、目の前が真っ暗になりました。
 ある朝、出勤するのが怖くなり、車のエンジンを掛けても足が震えて発進する事ができません。異変に気付いた妻が、「どうしたの?」と声をかけ、私の表情を見てとっさに祈ってくれました。妻は子どもたちにもこの状況を電話で伝え、祈るように頼みました。
 数日後、福岡で働いている長男から手紙が届きました。
「僕たちは、お父さんの仕事を頑張る背中を見て、ここまで来れました。だから諦めないで下さい。」
 祈る事さえ難しくなっていた私を、息子は手紙で励ましてくれました。そして、神さまに祈り聖書を読むと、このみ言葉に励まされました。

「今の時のいろいろの苦しみは、将来私たちに啓示されようとしている栄光に比べれば、取るに足りないものと私は考えます。」 ローマ8章18節

今がどのような状況であろうと、神さまは必ず栄光を現してくださる。このみ言葉を信じ、毎日仕事に励みました。
 そのような中、あるダイエット商品を取り扱う事になりました。売り始めるとすぐに大ヒット商品になったのです。絶望に打ちひしがれるほどの借金を、ほぼこの商品の売り上げだけで、たった2年の間に繰り上げ返済することができました。

 それだけではありません。大手ショッピングセンターの系列店でも新たに出店することができました。現在は14店舗に増え、夫婦2人で始まった薬局も115人の従業員を抱えるほどになりました。本土の大手ドラッグストアが県内で店舗数を増やしている中、私たちのような小さな薬局がここまで成長することができたのは、人の力ではありません。

 不可能と思えたことに、神さまは奇跡を成し遂げて下さいました。神さまの準備されている道は、私の想像を遥かに超えたものでした。会社経営をする中でも、神さまの偉大さを改めて知っていきました。

妻の智子さんと一緒に

店舗2階で教会が始まる

 2008年、福岡で働いていた長男が沖縄に帰ってくることになりました。息子は薬局で働くかたわら、神学校にも通っていました。教会では青年たち、特に不登校の子どもたちのために、献身的に奉仕しておりました。沖縄に帰るにあたり、牧師先生から「帰るなら、沖縄で教会を開いてみてはどうか」と福岡の教会を母教会として教会を始めることをすすめられました。
 新都心にある銘苅店は、設計の段階から2階部分を教会として使用できるように作っていました。当時は、通っていた教会の伝道所として使えるようにと思っていたのです。まさか、自分の息子が牧師として教会を始めるなど考えてもいませんでした。
 今まで大変お世話になった教会に挨拶をし、「沖縄ハーベストチャーチ」がスタートしました。神さまは、本当に憐れみ深い方です。このような私を救って下さっただけでなく、家族も仕事も祝福し、長男を牧師にまでして下さいました。

末期癌からの癒し

 2019年8月6日、その日は一度もトイレに行くことが無く「これはただ事ではない」と思い翌日病院に行きました。PSA血液検査を受けたところ、数値が異常に高い事がわかりました。さらに詳しい検査の結果、末期の前立腺癌で、骨、肺、リンパに転移していると診断されたのです。(*PSA検査とは、血液中にある前立腺に特異的なタンパク質の一種「PSA」の値を測定する検査)
 医者からは、「余命5年です。来るのが遅すぎました。」と告げられました。その時、心の中に2つのみ言葉が思い起こされました。

「わたしは主、あなたをいやす者である。」出エジプト記15章26節
「彼が私たちのわずらいを身に引き受け、私たちの病を背負った。」 マタイ8章17節

 心が平安になり、必ずいやされるという強い確信が与えられました。同席していた妻と2人の息子はショックを受けていましたが、平然としている私を見て不思議に思ったそうです。診断を受けたその日から入院する事になり、私は与えられたみ言葉が実現するようにと祈り始めました。翌日、私が入院していることを知って、知り合いの牧師先生や、教会の人たちが来られ祈って下さり、本当に感謝しました。
 入院から約1ヵ月後の9月2日、再び検査を受けました。驚く事に、PSA血液検査の数値は大幅に低下していました。翌月の10月18日には正常値に戻っており、これには医者も驚いていました。体のいたる所にあった癌は、ほぼ消えてなくなり、医者から退院の許可を頂きました。今は骨に少し残っている程度で、3ヵ月に一度、検査のため通院しているだけです。また、妻と毎月第4週の1週間を利用して、8年前に購入した本島北部にあるコーヒー農園で農作業ができるまでに回復しています。信仰による祈りには本当に力があることを日々体験させられています。 
 神さまに祈ると、いつも心に平安が与えられます。聖書のみ言葉は、今までの生き方を変える力があります。神さまの恵みによって、自力では到底できないことを体験してきました。
 今までの人生を振り返ると、私自身に誇れるものは何もありません。聖書に書いてある通り、全て神さまの憐れみによる事です。この事を皆さまにお証し致します。

「したがって、事は人間の願いや努力によるのではなく、あわれんでくださる神によるのです。」ローマ9章16節

(終わり)