二人がもっと楽しくなる#1

モリヤチャペル 牧師 依田献・潤子

Sasagu とJunko のズッコケ夫婦塾その①

夫婦の性格が違うっていいこと?それとも悪いこと?

よくメディアでも有名人の離婚の原因が性格の不一致と報道されることがありますが、実は、この「性格の不一致」による離婚が「DV」や「家庭を顧みない」などの理由をおさえて、日本での離婚原因のランキング1位になっているそうです。


人間には、本来自分にない長所や考えを持った相手、自分の性格とは正反対の相手に惹かれる傾向があると心理学では教えているようですが、これは無意識に自分に足りない部分を相手に補ってもらおうとしているからだとか。

結婚を考えているカップルや結婚したばかりの夫婦が、初めからこの知識を理解し共有できていたら、小さな争いが大きな争いに発展するのを少しでも防ぐことが出来るのではないかと思います。

私たち夫婦もこの理解が乏しかったために、結婚したばかりの頃は、よく子どものようなケンカをしました。

Sasagu は、幼い頃から思ったことや感じたことをすべて内側( 頭の中で)で処理してきました。本当の意味での解決というよりは、現実を逃避する傾向があり、どんなにきつい事があっても寝ると翌朝はすっきり起きてくるようなタイプです。

その反対にJunko は、葛藤を言葉にして直接相手に伝えることで処理してきました。そんな正反対な二人が結婚し、ズッコケ体験記が展開していくのです。

Sasaguは内側でいろんな思いを処理している時は、誰かに話しかけられることや、その時に何を考えているのか聞かれるのも苦手です。

私たちが開催しているマリッジコース(夫婦のためのワークショップ)では、こういう人のことを

ハリネズミ型と呼んでいます。

ハリネズミは危険を感じると丸くなってトゲトゲの針で身を固めますよね。Sasaguも同じように” 近づかないで” オーラをバンバン発信します。すでに臨戦体制に入っているために、この時のSasaguはどんな思いやりや優しさのこもった言葉もすべて「攻撃」とみなしてしまうのです。

しかし何でも直接解決したいJunkoは、それでは収まりがつかず、針をかき分けて中で隠れているSasaguを見つけようとします。

マリッジコースでは、このようなタイプをサイ型と呼んでいます。

サイは、怒ると突進してくることで知られていますよね。しかもその突進してくる勢いと力は本当に凄いのなんの!

独身生活の中でSasaguが長い間楽しんできた現実逃避の時間が、歴史上初めて侵略される事が起きてきたのです。

以前、こんな笑えるエピソードがありました。

いつものようにハリネズミになっていたSasaguは、盛んに挑んでくるJunkoを避けるために、部屋に鍵をかけて閉じこもり一人でホッとしていました。

しかししばらく経つとドアの向こう側でネジを開ける音がし始めました。あっけにとられて見ていると鍵のかかったドアノブがどんどん緩んでいき、それが完全に外されてJunkoが部屋に入ってきました。

そのような状況の中でSasaguは、これまで体験したことがないほどの窮地に追い込まれましたが、サイ型のJunko を通して心の中で誰にも開かれなかった「気持ちを表現する」という扉が少しずつ開いて行きました。

不思議なもので、どんなに開かない扉でも開けたり閉めたりしていると次第に楽に開けれるようになっていくものです。もちろん「お互いへの愛情」という潤滑油が必要ですが。

そんなあまりにも違いすぎる性格のために、それを「性格の不一致」として片付けることもできたのかも知れませんが、私たち夫婦はキツイところを通りながらも、お互いの存在と価値を認めることを学んできました。

私たちは、これを「恵み」と呼んでいます。

振り返れば、私たちの人生にはいつもこの「恵み」があります。

男女はお互いの違いに惹かれ結婚するのですが、その違いゆえに摩擦や衝突を繰り返します。しかしゆくゆくはその違いが自分にない部分を補っているということを学んでいくのだと思います。

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