当然のことを言いますが、コミュニケーションとは、双方向でやりとりをするものです。つまりキャッチボールです。一方的に直球や変化球を投げ続け、それをキャッチできないのは、キャッチボールではなく特訓です。

 同じように一方的に論破したり、喧嘩を売ったりしては会話は成立しません。まず相手を理解することに徹し、そして自分を理解してもらうためにスローボールから投げ、お互いを理解し始める必要があります。

私たちのコミュニケーションが、一方的になっていないか。持論を人に押しつけていないか。相手が真に必要とするコミュニケーションをとっているか。まず「気づく」必要があります。この機会にあなたのコミュニケーションを振り返ってみてはいかがでしょうか。

コミュニケーションの主人公は相手

 マネジメントの父ドラッカーは、「すぐれたコミュニケーションとは情報の受信者が主人公。情報を伝えるには送り手と受け手の間の感情的(人間的)なつながりが必要で、それこそがコミュニケーションの本質。したがって、すぐれたコミュニケーションに必要なのは情報交換ではなく、知覚(感情)の共有だ」と言っています。

 伝えたいことが相手の心に達しているかが大事なことです。人は自分が興味のあることに対して「見たい」「聞きたい」と思うものです。円滑なコミュニケーションをするには、受け手の関心がどこにあるのかを十分に考える必要があり、聞き手の関心を無視して自分の伝えたいことだけを伝えても、相手に本当に届いているかわかりません。

 「伝える」ことに熱心であっても、相手に「達する」ことができていないと感じるなら、コミュニケーションを見直す必要があるでしょう。

コミュニケーションで分かること

 聖書には「神は自分のかたちに人を想像された。」(創世記1章27節)とあり、神は人をご自身にかたどって造られたと記されています。神は心を重要視し、心からのコミュニケーションを好む方です。ここは興味深いところで、人は神に似せて創造されたので、人が真に望むコミュニケーションも神同様、心のこもったコミュニケーションなのです。

 多くのコミュニケーションテクニックがありますが、それだけでは心の通ったコミュニケーションは難しいのです。人の評判や、自分のことを他の人にどのように良く見せられるかではなく、常日頃の行動を通してあなたが本当にどのような人間なのか、あなたの心から自然と流れ出てくるものです。

 「力の限り、見張って、あなたの心を見守れ。いのちの泉はこれからわく。」(箴言4章23節)

 実際に接した相手があなたの事をどう感じるか、それが全てです。心の中にあるものが、あなたがどのような人間であるかを伝えています。心の中にあることは隠されていますが、コミュニケーションを取ることであなたがどのような人間か、あなたのとる態度が本心からなのか、相手は直感的にわかるようになります。どんなに言うことが立派でも、心の中が真逆だったら安心して心の内を打ち明けることはできないでしょう。コミュニケーションで、あなた自身の心が分かります。

コミュニケーションとは「聴く」こと

 コミュニケーションとは、相手の心の中にあるストーリーにしっかりと耳を傾けて「聴く」ことに徹することです。人それぞれの独自性を深く理解し、心を動かされてはじめて、人もあなたのアドバイスに心を動かされ、素直に受け止めて従うことができるようになります。人と人とのコミュニケーションを本当の意味で身につけるなら、相手が心を開き信頼してくれるようになるでしょう。

まとめ

真のコミュニケーションとは、まず「聴く」ことです。「聴く」ことによって心と心の交流がスムーズに流れていくのです。