SALT And LIGHT #27
ケリー 陽子さん ゴスペルシンガー・ボーカルトレーナー・クワイヤディレクター
ゴスペルとの出会い
北海道出身のケリー陽子さん。初めてゴスペルを知ったのは14歳の頃。
テレビで放送された映画「ブルースブラザーズ」の作中、ジェームス・ブラウンが教会で歌う姿を見た時、体中に衝撃が走った。当時、日本でゴスペルはあまり認知されておらず、曲のタイトルも分からないままだった。歌うことが好きだった彼女は、その後ファンクやロックなどのバンド活動をしていた。
高校生の頃、一緒にバンドを組んでいた楽器店の店長に勧められたマヘリア• ジャクソンの歌声に再び衝撃を受ける。しかし、日本でゴスペルを聞ける場所も歌える場所も知らない。それならと、19歳の時に友人と共にアメリカ・ロサンゼルスへ飛んだ。
本場ロスのロックカフェ、その日ステージに立っていたのは、ゴスペルグループ・LAマスクワイヤ。
「英語の歌詞は意味が分からないのに、涙が溢れてきました。隣にいた黒人のおばあさんが、慰めるように肩に手を置いて話しかけてくれました。それが拍車をかけ、涙が止まりませんでした」
今は、それが聖霊の感動だったと確信しているという。その体験がゴスペルシンガーになる決め手となった。
結婚と高い壁
27歳、日本でゴスペルが歌えそうな場所はどこかと考えた末、出た答えは沖縄だった。沖縄なら黒人さんもいっぱい居るだろうし、教会もたくさんあるはず。そんな安易な考えで、友達と一緒に沖縄へ行きました」
沖縄に着くと、アメリカ人を見つけては「教会に連れてって」と声をかける。「初対面で、めちゃくちゃな英語で教会に連れてってなんて、誰も真剣に聞いてくれませんでしたね。笑」
そうこうしているうち、ある黒人男性に声をかけられる。話が盛り上がる中「教会に連れてって」と決まり文句を切り出した。彼はクリスチャンで今は教会に行っていないが、両親は牧師だと言うではないか。
偶然とは言い切れない出会いが彼女を教会へ導いた。そしてこの男性こそ、後に結婚する運命の人だ。
「初めて教会に行った時のことは忘れられません。礼拝のクワイヤの歌声に一瞬で魅了されました」
同時に彼とのお付き合いが始まり、お互いに結婚を意識するようになった。妊娠を機に結婚。周囲は猛反対。「両親には国際結婚を認めてもらえず、ほぼ勘当された状態でした。それでも教会の方が祈って支えてくれました」
教会から離れていたご主人は、一人教会で祈り、再びイエスさまを信じる決心をする。彼女もまた、祈りの中でイエス・キリストを信じる告白をした。
「お互い祈ったのを知らなかったので、その話をした時はとても感動しました」
結婚後、教会でクワイヤのコーラス隊から、ディレクターと指揮者を努めるまでになる。しかし、日本人の彼女が先頭に立って歌うのは、ゴスペルにルーツを持つ黒人の方々になかなか受け入れられず、ご主人や友人に励まされながら試練の時期を乗り越えたという。
仕える心と神の愛
友人の結婚式での彼女の歌声を聴いた音楽事務所の社長にスカウトされ、プロ活動がスタート。仕事としてゴスペルを歌い始めた時、仕えることの大切さを改めて知った。
「色んな価値観の方と一緒に一つのものを作り上げる時、自分の意見を主張するよりも、へりくだって相手に仕えることの大切さを学びました。クリスチャンとして、意見したいことも多々ありましたが、それよりも相手を受け入れることを大切にしています」
何事でも自己中心や虚栄からすることなく、へりくだって、互いに人を自分よりもすぐれた者と思いなさい。ピリピ2章3節
彼女の主な活躍の場は、リゾートウエディング。一般的にウエディングでは英語の曲が歌われるのが定番だった。
「いつか、日本語でイエスさまの愛を伝えたい、何より聞く人たちがイエスさまに出会うきっかけを作りたいと思っていたんです」チャペルで練習ついでに、賛美「君は愛されるため生まれた」を歌うと、通りがけに聞いていたブライダル業者の支配人の心に響き、その曲を歌うことになった。
この歌の歌詞は、新郎新婦だけでなく、そのご両親や親族の方にも感動を与え、式の後「賛美を聞いて感動しました」と嬉しいお声も頂いた。
「ゴスペル(賛美)は希望の歌であり、愛の歌であり、どんな人にも伝わる圧倒的なイエスさまの愛だと思います。最近では、福音のメッセージができる場所は限られてきました。けれど、ゴスペルなら色んな場所で歌う機会が与えられます。これからも、たくさんの人にイエスさまの愛を伝えていきたいです」
クリスマスに響く賛美の歌声は、イエスさまの愛そのもの。この季節、耳を澄まして神の愛を感じたいものです。
クリスマスコンサート情報 12/3 ( 日) LIFE SEED 開場 17:30 開演 18:00 12/23( 土) 沖縄プレイズチャーチ 開場 17:30 開演 18:00 ※チケット等詳細はSNSをご覧ください。↓↓↓ MOJ GospelChior (Instagram) https://www.instagram.com/moj_gospel_chior_/ His Gener8tion Moves (Facebook) https://www.facebook.com/HisGenMoves