神さまに創造された私たち「ノアの大洪水と地層の形成」

宇佐神 実 氏　創恵聖書教会茨城チャペル牧師　ジェネシスジャパン会長

すべての人は、ノアの子孫

聖書の創世記6〜9章には、ノアの洪水とその前後のことが記されています。大洪水の原因は人の罪が満ちた為であり、洪水前にネフィリムと呼ばれる巨人または化け物のような存在がいました。

創造主に正しいと認められたノアは創造主に命じられて箱舟を造り、それに乗ったノアの家族と地上の動物は洪水を生き残り、それ以外のすべての地上の動物と人間は滅ぼされたと聖書は教えています。ですから現代のすべての人は、ノアとその家族の子孫です。

世界中に広がる洪水伝説

沖縄の伝説※1では、洪水の原因は、「人の心が弱肉強食に支配され、神の目に罪が満ちた為」とあります。その内容は、神の目に叶った心優しい兄妹二人が予め洪水の時に鍋に隠れるよう言われ洪水を乗り越えましたが、それ以外の全ての人は滅ぼされました。

この二人から子どもが生まれましたが、最初の子ども達はバケモノでした。彼らが神に祈り四角い家に住むようになると、人が生まれ世界中に増え広がったというものです。沖縄の伝説は、おそらく「アダムとエバ」「堕落後の人間の姿」「洪水前に出現したネフィリム」「ノアの洪水」の話がミックスされて伝わったものでしょう。

世界中に200以上の洪水伝説が残されています。箱舟が漂着した地域に近いギリシア、アジアでは中国やインドネシア、最も離れたオーストラリアなどの地域にも似たような洪水伝説があります。

その多くは人の罪が洪水の原因であったこと、洪水が予言されていたこと、一家族が洪水を船などによって逃れ、他の全人類は滅ぼされたこと、その家族から再び人が世界中に増え広がったことなどが語られています。大洪水の約100年後にバベルの塔の事件が起こり、ノアの子孫は世界中に散らされました。

ですから世界中のすべての人は、創世記に記された天地創造やノアの洪水の歴史を共有しており、各民族がこれらの内容のミックスされた伝説を受け継いでいるのは当然のことではないでしょうか。

※ 1 洪水型兄妹始祖神話
沖縄県の先島（宮古･八重山）地方には「兄妹始祖洪水神話」が数多く残されている。これは、何らかの原因でその土地に辿り着いた、兄妹の関係にある一組の男女が、大洪水の中を生き延びその土地の始祖となるというノアの洪水に類似した伝説。アジアでは中国西南部、台湾、インドシナ半島、インドネシア、ポリネシア諸島などに伝わっており、数多くのバリエーションが広く分布している。

聖書は真理の説明書

無神論を信じる科学者たちは、聖書の歴史を否定する歴史観を推測し、それを正しいと教えるようになりました。その典型的な教えの一つが「地層は長い年月がなければ堆積できない」というものです。

これは、18世紀の英国地質学者ジェームズ・ハットンの推測に基づいたもので、その後地質学原理を書いたチャールズ・ライエルや、進化論を提唱したチャールズ・ダーウィンに影響を与え、約200年以上にわたって聖書の歴史を否定する証拠として用いられてきました。

日本でも「地層は長い年月をかけて徐々に堆積し、化石も徐々に埋められてできた」と教科書やメディアを通して教えられてきたのです。

ところが、今日実証されていることは、地層ができるにはほとんど時間がかからないということです。1980〜1982年に米国ワシントン州で3度にわたってセントヘレンズ山が噴火しました。そしてこの３回の噴火によって合計の厚さ40m 前後の地層が堆積してしまったのです。

地質学者たちはハットンの推測に反し、地層が天変地異（大洪水・大地震・火山噴火など）によって一気にできてしまうことを目の当たりにしたのです。東京書籍の中学一年の教科書「新しい科学1年(平成27年版)」では、「地層をつくる土砂は、毎日少しずつ堆積するのではない。大地震や大雨などのときに、大量の土砂が海へ運ばれ１枚の地層ができる。」と観察される事実に基づいて教えています。

聖書通りのノアの大洪水が起こったなら、当然世界中に地層が一気に堆積し、その中に動植物が埋められて化石ができるのは当然のことです。今までの教科書では化石は徐々に埋められてできたと教えてきましたが、海底を調べれば徐々に埋まっていく生物など存在しないことからも、その誤りがすぐにわかります。　

残念な事に、多くの人が事実無根の地層形成の推測を信じて聖書の歴史やノアの洪水の出来事を否定してきました。大洪水伝説も新しい地質学もノアの洪水を裏付けるのです。聖書に記されている出来事は、事実を知らない人が考えた推測やおとぎ話ではなく、すべてをご存知の創造主が書かせた真実の歴史です。

聖書は最初から最後まで信じるに値する創造主から私たちに与えられた説明書なのです。