二人がもっと楽しくなる#5
Sasagu とJunko のズッコケ夫婦塾 その⑤
モリヤチャペル牧師 依田献・潤子
今回で私たちのズッコケ夫婦塾も最終回となります。 そこで、最後はこれまでとは少し違ったアプローチで、これから結婚を考えている方々へ書かせてもらいたいと思います。
恋愛→結婚?
私たちの結婚観や恋愛感情についての情報源は、大抵はテレビドラマや漫画、またハリウッド映画が一般的です。そのために、結婚は素敵な出会いから始まり、燃え上がるような恋をしてから、と考えてしまいます。しかし聖書が教える価値観は、実は少し違っています。
聖書で結婚するとは、「すべては良いお父さんから始まっていて、このお父さんが準備されるものは、すべて良いものである」ということをただ信じる事です。
アダムとエバは、お互いを全く知らなかったのに夫婦になりました。しかし重要なのは、誰が二人を合わせたかです。
リベカはイサクの顔も見ずに、故郷を捨てて結婚することを選びました。
ヨセフとマリアは初めから結婚する事になっていました。しかも、大きな障害を乗り越えて結婚する決意をしたのです。
ダビデのひいおばあちゃんになったルツは、ナオミの勧めを受け入れてボアズの妻になりました。
Junko は結婚するならば「自分を大切にしてくれる人」ではなくて、「奥さんよりも神さまを大切にできる人」と考えていました。なぜなら夫婦でケンカをしたり怒ったりしたとしても、きっと神さまは「妻を大切にしなさい」と夫に語ってくれるはず、と信じていたのです。良いお父さんが自分に必ず良いものを与えてくださると知っていたんですね。
結婚に必要なのは?
結婚は、必ずしも恋愛感情があるから上手くいくのではありません。恋愛のストーリーの中心にあるのは、ある人に夢中になっている自分の感情と、恋をした相手の全てがキラキラしている状態です。この感情はすばらしいもので、決して否定しているのではありません。でも、この恋愛感情が結婚するための絶対条件ではない、と言う事をお伝えしたいのです。
むしろ結婚に必要なのは、「良い天のお父さんへの信頼」と、そこから育つ「愛」です。
たとえ二人の関係が恋愛から始まったとしても、それが愛に変わり始める瞬間が訪れます。それは愛のテストです。自分の想像の中で作り上げた相手の理想の姿ではなく、相手の本当の人間性との出会いです。
その人間性は、相手が育った環境の中で形成されてきたものです。洋服のたたみ方から運転の仕方。疲れている時の関わり方から喜んでいる時の関わり方まで。何をすれば喜び、 何をすれば悲しむのか。落第というものはなく、失敗しても諦めなければずっと受け続けることができるテスト。このテストを受け続ける時、二人の間に愛が成長していくのです。
もし恋愛感情が幸せな結婚をする一番の秘訣であるなら、日本の芸能界やアメリカのハリウッドで熱愛報道される方々は、世界で一番幸せな家庭を築けるはずなのですが、残念ながら現状はそうではないと思いませんか?
幸せになるって?
マスコミでも取り上げられている、ある恋愛カウンセラーは「良い相手を選べば幸せになれると無意識に信じている事が落とし穴である」と言っています。その思い込みが強ければ強いほど、相手に大きな期待をかける傾向が強くなるとも。また「自分以外の誰かや何かが自分を幸せにするという事はない」とはっきり断言しています。
それどころか、結婚後に普通に起こるような問題に直面した時に、結婚相手が幸せにしてくれる、と信じている人は「この相手を選んで失敗だった」と言う結論に達してしまうと言っています。同じ家庭で育った兄弟でも、性格がまったく違うし、生活スタイルも異なります。ましてや異性である結婚相手に最初から自分と同じ感覚を求めるのは、砂浜の中で自分好みの1 粒の砂を探すようなものです。
むしろほとんどの夫婦がお互いの性格と正反対であることが多いと思います。それは相手が弱い時に、自分の強さで相手を支えるため。二人がまったくじように動き、同じ視点を持っていたら、倒れる時も一緒になってしまいます。
最後に
これまでの記事でも書かせてもらいましたが、私たちほど性格が違う夫婦はいないかもしれません。そんな私たちをここまで導き、繋ぎ、そして深めてくださったイエス様にただただ感謝しています。
憐れみとは、受ける資格がないのに与えられるものですが、私たちの上に、特に Sasagu の上にどれだけこの憐れみが注がれたことか分かりません。今まで書いてきた事は、 私たちが実際に体験してきた事ですので、すべての方に当てはまるかは分かりません。
でも夫婦に衝突や問題が起きた時、二人がその問題を〝自分の問題″ として神様の前に出て行けた事。その度に育まれた愛こそが私たち夫婦にとって大きな宝となってきました。私たちは「神様が始められた事は、神様が責任を取ってくださる」と信じています。
そしてこれからもその恵みの中を歩ませて頂きたいと願っています。