SALT & LIGHT #10

小橋川 未来 画家/marugoto-Arts&Books 共同代表

小橋川未来さん

キリストの「光」を描く

「私は絵を描くために生まれてきた」と言うほど、幼い頃からよく絵を描く子どもだった。そのスタイルは、筆を走らせて描くというより、筆先で点を打つように描いていく。出来上がった絵は、幻想的な世界観の中に、言葉では表せない喜びを物語るようだ。

幼い頃、キリスト教系の幼稚園に通いイエスさまを信じた。そんな彼女の描く絵には、いつも同じテーマがある。それは、「光」。聖書のみことばや讃美歌からインスピレーションを受けてイエス・キリストの光を表現する彼女の絵は、見る人の心に元気と平安を与えてくれる。しかし、その「光」を見出すまでには、多くの試練と葛藤を乗り越えてきた。それと同時に、イエスさまの恵みが彼女の歩みを確かなものにしてきた。

画家になるという夢を持ち始めたのは、幼稚園生の頃。園のお誕生日会にみんなの前で将来の夢は?と聞かれ、「画家になる」と言ったあの日のことは、今でも鮮明に覚えている。彼女の母も、夢中になって絵を描く娘の姿を見て「この子は将来本当に絵を描く仕事をするかもしれない」と思ったそう。

中学2 年の時、美術の担当でもあった担任の先生は、彼女の感性を認めてくれたという。「私が描いた絵を先生は、上手だねと褒めて、職員室の側の目立つ所に飾ってくれたんです。それに、給食の米粒を一つも残さずに食べたことを褒めて、両親に伝えるんです。とにかく、私の事をよく見てくれる先生でした」


その先生に憧れ美術教師になる夢を持ち、大学は沖縄県立芸術大学に進学する。中・高の美術教師免許を取得したものの、組織に属することに抵抗を感じ断念。

「もともと、そういうのが苦手なので、じゃあ一人でやってみよう。当時はそう思ってました」

大学の頃から、光をテーマに描いていたが、自分のスタイルが定まらずにいた。迷いの中本土へ、そこで人間関係のトラブルに遭い、心身共に傷つき疲れ果ててしまう。そんな彼女を、イエスさまは見捨てなかった。

沖縄の実家に帰り、傷がいやされていく中で祖母が救われた。神学校へ行く道も開かれ、これからはイエスさまのために生きていきたいと献身。やがて、両親も救われ、家族の救いに勇気づけられた。同時期に、母校である栄光幼稚園へ就職の誘いがあり、神学校在学中に幼稚園教諭免許も取得。大勢の子ども達を見るのには、かなり勇気が要ったそう。

また、献身者とは、牧師や伝道師などの働きだけだと思っていた。しかし、絵を通して福音を伝える道が開かれるにつれ、与えられた賜物を主のために活かすことも「献身」の在り方だと思えるようになっていった。 

「でも自分に出来るのかと不安で、ずっと足踏み状態でした」

しかし、他の分野で活躍するクリスチャンアーティスト達との出会いや、家族・友人の応援がその背中を押した。

「あなたの道を主にゆだねよ。主に信頼せよ。主が成し遂げてくださる。」詩篇37:5

みことばから励ましを受け、見る人の心が元気になってほしい。真の光であるイエスさまを知ってほしいと使命感のようなものが芽生えた。

「絵を通して福音を伝えるのが私の『献身』だと確信しました」

2019 年、絵本作家石川悟志氏作「イエスとロバの物語」の挿絵を担当。翌年、Mikukafuu Arts として初の個展を開催。音楽イベ
ントでのライブペインティングなど精力的に活動を展開している。

現在、子ども向けの造形教室を企画中。「上手い下手は関係なしに、子ども達にとにかく絵を楽しんで欲しいですね」今までの歩みが遠回りに感じることもあった。それが集約され、点と点が繋がり、一気に線が引かれるように、自分の進むべき道を見出した。

Miku だからこそ描くことの出来る絵で、沢山の人が真の光であるイエス・キリストに出会い喜びに満たされる、そんな絵が浮かんで止まない。

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