宗教法人 沖縄キリストの教会

「主イエスを信じなさい。そうしたらあなたもあなたの家族も救われます」使徒行伝16 章31 節

魂の救いのためにみことばを語り続けた沖縄キリストの教会は、試練のなか教会の使命に立ち返った時、祝福と共に大きく前進していきました。

 元アメリカ従軍牧師の建てた教会

 教会開拓者であるハーラン・L・ウッドラフ宣教師は、第二次世界大戦時に米国陸軍牧師として沖縄へやって来ました。一度アメリカへ帰るも、戦後1947年、悲惨を極めた沖縄戦の経験から宣教師として再び沖縄へ。温厚な人柄で、沖縄の魂のためにと、本島中北部を中心に約40年間伝道へ駆け回ってました。

 当初は、公民館や民家で集会を開いて聖書のみことばを伝えていましたが、救われる人が増え、1950年に名護市宮里に、1952年には名護市屋部に教会を開拓します。


 1968年、浦添市前田に沖縄キリストの教会を設立。牧師には、ウッドラフ師の弟子の一人であった鎌田凡夫師が着任します。鎌田牧師は、伝道新聞やラジオ放送などメディアを通して精力的に福音を発信していました。1972年には、教会付属の友愛幼稚園を開園。その後54年に渡り、地域に根ざしながらキリストを宣べ伝える教会となっていきます。

1968年、開拓当時

信仰の試練と祝福の時

 1998年頃から、後継牧師が与えられるようにと祈っていました。2010年、鎌田牧師の引退と共に幼稚園も閉園。その間に何名かの後継者候補が挙げられますが着任には至らず、牧師不在の状態が続きました。祈りの応えはなかなか得られず、信徒の高齢化と会堂の老朽化も進んでいきました。会堂修繕のため地主に許可申請を申し出ると、借地料の値上げを言い渡され、支払えない場合は土地を手放す他ないという状況に。教会では、資金面の問題と牧師不在の状態から、会堂を手放した方が良いのではとの声も聞こえてきました。


 しかし、役員の間から、この場所で教会をしている意味を思い起こそうとの声が出てきます。「確かに大きな問題が山積みでした。しかし、私たちの教会の使命はなんなのか、もう一度祈り始めました」と役員の鎌田義彦さんは話します。


 派手さは無くても、キリストの救いを地域に伝え続けてきました。この場所に教会が必要だ、自分たちの使命を果たそうと、教会の信仰は燃え上がり、再び会堂のために祈り始めました。


 すると、風向きが変わりはじめます。地主との話し合いで、200坪の土地を破格値で売ってくれることに。教会の信徒たちは喜んで献金を捧げ、姉妹教会からも献金を頂き、会堂の修繕ではなく、新会堂を建設することになります。設計の段階に入るとより実感が湧き、信徒たちは色々なアイディアを出したり、熱気が高まっていったそうです。


 その間に求めていた牧師との出会いも与えられます。大阪生まれの韓国人、キム・ジミョン牧師は2020年に大阪聖書学院(神学校)を卒業。さらに専門的かつ実践的な学びを深めようと、韓国のソウルキリスト大学へ編入準備を進めていました。しかし、コロナ禍で全ての計画が閉ざされてしまいます。神さまの導きを求めて、妻の地元沖縄へ移住することに。

 以前から、沖縄キリストの教会には奉仕で訪れており、教会の方から何度かお誘いを受けていたそうです。しかし、大学で学びたいという強い思いもあり、まだ自分の役目だとは思っていなかったのだそう。「沖縄で過ごすうち、今にもみことばを必要としている人が目の前にいるのに、このまま韓国での学びを求めていても良いのだろうか、そう考えるようになりました」とキム牧師。


 妻が沖縄出身であることや、家族や教会をはじめ沖縄の地にみことばを必要としている人々がいることなど、自分の計画ではなく神さまの計画が進んでいると確信し、沖縄キリストの教会の牧師として仕える決心をします。

キム・ジミョン牧師と役員の鎌田義彦さん

築き上げてきたものの上に新しいものを立てる

 2021年5月9日、ついに新会堂が完成。同年、キム牧師の按手礼も行われ、10年以上牧師不在だった教会の新しいスタートは、たくさんの祝福と共に歩み出したのです。
 

 会堂に掲げられた十字架、長椅子と説教台は、旧屋部キリストの教会で使われていたもので、新しい会堂の中で歴史を彩っています。全てを新しくしかったのは、先人たちの信仰に尊敬を込め、感謝を忘れないとの思いからです。


「これまでの働きに新しいアイディアを掛け合わせて、この教会としての使命を果たしていきたいと思っています」
 

 キム先生の奥さまはマリンバ奏者で、昨年はマリンバコンサートを催し、その中で音楽を通して福音を伝える機会を設けたそうです。「音楽や様々な賜物を用いて、地域の人々と、教会に集う信徒の家族の救いのために仕えていきたい」と先生は話します。


 沖縄キリストの教会は、その使命に堅く立ったとき、再び信仰が燃やされました。そして今、イエスさまは教会に新しい力を注いでおられます。古くからあった宝を磨き上げ、新たな宝を得た教会は、たくさんの魂をイエスさまへ導き、その栄光をますます表していきます。

新しい会堂
宗教法人 沖縄キリストの教会
〒901-2102 浦添市前田1-46-7
Tel 098-877-3654 Mail okinawacoc@newpsalms.xsrv.jp
礼拝案内 日曜日 聖日礼拝 10:30 教会学校10:30

https://okicochrist.org

前の記事

SALT And LIGHT #18

次の記事

V85表紙