プロが教えるコミュニケーションの極意#5

話し方

仲兼久 みち子 (人材育成トレーナー・フリーアナウンサー・フルーツミニストリーメッセンジャー)

どう話せば良い?

「話し方」で欠かせないのが言葉の使い方、「言葉の使い方」で最低限必要なのが敬語です。敬語は、謙遜な心を持ち、相手に尊敬を表すために用いられる道具です。

敬語には3 種類あります。

・「丁寧語」→「です」「ます」調で話す敬語
・「尊敬語」→ 相手を立てて話す敬語
・「謙譲語」→ 自分を低くし相手をたてる敬語

丁寧語は語尾に「です」「ます」を入れればいいので難しくないです。誰でも使える敬語ですが、尊敬語と謙譲語の使い分けは苦労するかと思います。

沖縄のおばーがよく「かめーかめー」攻撃をしますが、その時によく聞くのが「どうぞいただいて」と言います。

これは正しくは「どうぞ召し上がって」です。「いただく」は自分が食べる時に使う謙譲語で「召し上がる」は相手に食べてもらう動作の尊敬語です。

ですが、おばーの優しい気持ちが十分に伝わってくるので、愛嬌で済ませます。ただ、ビジネスシーン等、敬語を使って仕事をする場合において正しい使い方ができることに越したことはありません。敬語能力を判断されてマイナスイメージにならないためにも最低限必要なスキルです。

ポジティブ表現

これにプラスして、ポジティブ表現を意識することをお勧めします。

ポジティブな言葉、表現は、聞き手もポジティブにしてくれるので良い影響を与えられ、良い会話が生まれます。

言葉の選択がプラスなのかマイナスなのか注意深く観察し、ネガティブワードを多く使っていると気づいたら、思考の部分からポジティブに変換する訓練を積み重ねていくことが大切です。

「話し方」で伝えたいは、「何を伝えるのか」ではなく、「どのようにいつ伝えるのか」をお話ししていきます。

ポジティブ表現を意識

相手を思いやるコミュニケーション

私たちが会話をする時、どんな言葉を使って会話をするか、言葉の選択によって伝わり方が大きく異なってきます。また「いつ伝えるのか」のタイミングも重要になってきます。

神は、私たち人を自由意志を持つ者として創造しました。自発的に行動するように創造しています。ですから人は、誰かから強要されることに拒絶反応を起こします。私たちはよく「あなたのことを思って」とか「こうあるべき」「こうすべき」「こうしなければならない」など相手に自分の常識を押し付け、その人のためになっていると勘違いをします。

実はそれが迷惑なおせっかいだったりするのです。


自分よがりな考えを押しつけることで関係がギクシャクしてしまうケースもよくあります。よかれと思って相手に伝える時、自分の心の動機「自分をよく見せようとしていないか」「自分の考えが絶対だと思っていないか」「本当に相手の気持ちや考えを尊重しているか」自分の心に正直に問いかける必要があるでしょう。


また最近ではレスポンスの早さがいいという風潮の中、レスポンスが遅い人を何かと非難したりする傾向にあります。世の中のシステムで計るのではなく、心と心で相手を思いやるコミュニケーションが最善です。つまりは、相手を思いやらないコミュニケーションは、会話をこじらせ、関係をこじらせ、人々を疲弊させていきます。


神は「光あれ」を言われ、光を創られました。そして初めに言葉があったとあります。

言葉は力


言葉は威力を持った武器です。言葉を通してこの現実世界が創られたことを思うと私たちの言葉が未来を創ると言っても過言ではないでしょう。

「話し方」は、相手の考えに対する「理解」・「共感」・「肯定的な宣言」・「励まし」・「いたわり」のある言葉を使う習慣を身につけることです。謙遜語、尊敬語など、敬語を正しく使う方法はもちろん必要ですが、それらは勉強すれば身に付けられます。


しかし、相手を思いやる言葉は、心から出てくるものなのです。言葉を使うスキルはあっても心を使うスキルが欠けていると、相手に伝わりません。

話すスキルは、心を使うスキル!

私たちが身につけなければならないコミュニケーションスキルは、相手を思う心に成熟し成長することなのです。私たちの耳、口は、良いことを聞き、良い事を語るために与えられているのです。「きき方」「話し方」は、あなたの心からの愛によって正しく流れていくものです。


あなたの発する言葉、謙遜で思いやりのある話し方が周りの人々の助けになることでしょう。

今回でコミュニケーションのコラムは終了です。少しでも皆さんのお役に立てたのであれば幸いです。これからも共にコミュニケーションスキルのレベルアップを目指していきましょう!

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