Christmas Message
Amigo Secreto ~秘密の友達~
センター世の光教会
牧師 仲真次サムエル
ブラジルのクリスマス
日本のクリスマスの季節は冬ですが、私が育ったブラジルは南半球にあるため季節は夏です。国によってクリスマスの祝い方に違いがありますが、ブラジルと日本のクリスマスもたくさんの違いがあります。
ブラジルでは、海やプールで家族や親族、友達や職場の仲間とシュラスコ( ブラジリアンBBQ)を食べながら、ラテン音楽をガンガン鳴らして祝います。日本では、クリスマスと言えばショートケーキですが、ブラジルではパネトーネというドライフルーツの入ったパンを食べます。アメリカでは感謝祭に七面鳥を食べますが、ブラジルではクリスマスの夜に七面鳥を食べます。
そしてもう一つ、大人も子どももみんなが楽しみにしているものがあります。
それがAmigoSecreto(アミゴ・セクレット)。日本語で「秘密の友だち」を意味します。これはプレゼント交換のことで、みんなで紙に名前を書き、箱に入れて自分が引いた人のためにプレゼントを用意します。もらう人は当日まで誰からプレゼントをもらうかわからない、ブラジルならではのイベントです。
本当にほしいプレゼントは?
私が小学3年生の時でした。先生はみんなの名前を書いた紙を集めて箱に入れた後、全員の名前を黒板に書きました。そして、「自分の名前の下に自分の欲しい物を書きなさい」と言ったのです。ある子は3色ペン、別の子は香り付き消しゴムやバンドのCDなど、思いつくままに書いていました。私はブラジルに来て間もなかったので、適当に「何でも良いです」と書きました。
それから3週間後、待ちに待ったAmigoSecretoの日。最初に先生がプレゼントを渡しました。次に、プレゼントをもらった子が自分の引いた友だちを呼び、プレゼントを渡します。次々とみんなが笑顔になっていき、クラスの盛り上がりも最高潮に。女の子が呼ばれ、プレゼントをもらい、ジャンプしながら喜んでいました。そして、彼女が私の名前を呼んだのです。
「私のAmigoSecretoはサムエル、君だよ!」何をもらえるのだろう!とワクワクします。「はい、サムエル君に」とプレゼントを渡され、興奮しながらみんなの真似をして、袋を思いっきり破りました。そして紙袋から出て来たのはなんと、3枚のブリーフパンツ!
「は?」と唖然とした私を横目に、彼女は満足顔で席に戻っていきます。私は恥ずかしさと、ガッカリでいっぱいでした。しかし友だちは「何が問題なの?明日からこのパンツ履いて学校にこれば?」と、最初からそれが欲しかったんでしょ、と言わんばかりの顔で言います。どうにか気持ちを切り替えて家に帰り、部屋で3枚のうちの一つを履いてみましたがサイズが小さくて入りませんでした。
この出来事をきっかけに、これからは自分をしっかり持とう。何が欲しいのか、どうありたいのか、きちんと相手に自分の思いを伝えなければ、幸せにはなれない。これではブラジルで生きていけない。そう思いました。
誰かのAmigo Secretoになろう
クリスマスは一部の人がプレゼントをもらうのではなく、子どもから大人まで、みんなで喜び楽しみ、みんながプレゼントを贈りあう日だと私はブラジルで学びました。教会はもちろん、会社や一つの町が、顔も知らない貧しい人たちにプレゼントをする。ブラジルではそれが当たり前です。
私たちは、救われるまでイエスさまのことを知りませんでした。それでもイエスさまは私たちのAmigoSecretoでした。私たちはその愛を受けるにふさわしくないのに、イエスさまは私たちを救うためにこの世に来られました。その行いは栄光を受けるにふさわしいのに、イエスさまは秘密になさいました。
今年のクリスマスは、私も誰かのAmigo Secretoでありたいです。カーニバルのようにみんなを巻き込むクリスマスであっても良いなと思います。隣人が必要としているものをプレゼントするのも良いでしょう。感謝の気持ちを持って祝いましょう。国によって過ごし方の異なるのクリスマス。しかし、唯一のクリスマス。良いヒントになれたらいいなと思います。みなさんにとって最高のクリスマスになりますように。メリークリスマス。
神は、実に、そのひとり子をお与えになったほどに、世を愛された。それは御子を信じる者が、ひとりとして滅びることなく、永遠のいのちを持つためである。ヨハネの福音書3章16節